毎日学ぶ力を高め、成長のらせん階段を上り続けるための取り組み方

Spiral staircase

前回は、学ぶ力の高め方をお伝えしました。前回の記事を読んでから、守破離を守りながら学ぶ力を高めていますか?

今回のテーマは、日常です。これまで学んだことも、学んだその時にはやる気になって全力で取り組んだとしても、1週間経てば元通りの自分に戻ってしまうという方が多いです。取り組んでみたけれども結果が出ずにやる気を失ったり、いつの間にか忘れてしまっていたりするのではないでしょうか。そのような悲しい無限ループに陥ることなく、そこから這い出して成長のらせん階段を上るために必要なことをお伝えします。

また、そもそも何に取り組めば成長できるのかが分からずに動き出せずにいる方もいるかもしれません。これまでいろいろと試したけれども、うまくいかずに「どうせ自分なんて」と思っているのであれば、その思い込みを絶つために必要な考え方、モノの見方が見つかることでしょう。

この章を読み進める前に、あなたが学ぶ力を通して達成したいことをイメージしてみてください。以前お伝えしたように、学ぶ力は方向と早さで評価されます。目標がないと、方向がなくなるため成長しているのかどうかも分かりません。まずは、とりあえずでも良いので、学ぶ力を使って何を達成したいかをイメージしてみることです。仕事での成功であったり、受験や資格の合格であったり、新しい仕事へのチャレンジであったり・・・。その目標をどうやって現実にするのか、途中で投げ出さずに取り組み続けられるようになるのかを、お伝えしていきます。

目標を、具体化する

clay

あなたが先ほどイメージした目標。それは、「達成できたかどうかが、確実に評価できるもの」でしょうか。「○○大学に合格する」という目標であれば、達成できたかどうかが明確です。しかし、「仕事で成功する」であれば、何をもって成功とするのかが分かりません。

実のところ、目標を立てたにもかかわらず行動できずに終わる理由は、具体的に何をしたら良いかが分からないからです。「目標」という言葉は、もともとは目印を意味します。あなたが行きたい場所をピンポイントで指し示すものです。

具体化するには、5W1Hを明確にすることが有名ですが、人生での成功など期限の決めにくい目標を具体化する際には、「もしも」を使ってみることをお勧めします。

  • もしも、毎年1億円自由に使えるなら、成功したと言えるでしょうか
  • もしも、お金があっても一人ぼっちであれば、成功したと言えるでしょうか
  • もしも、仲間と一緒に楽しく働いていれば、給料が少なくても成功したと言えるでしょうか

このように、たくさんの「もしも」を考えて自分の目標を具体化することです。一言にまとめる必要はありません。箇条書きになることもあります。映画やドラマを見ながら、「こういう人生がイイな」というひらめきも大事にしてください。その人生のどこに魅力を感じたのかが分かれば、あなたの目標はより具体化されるでしょう。

目標を細分化して、次のレベルを見つける

next step

あなたの目標が具体的になれば、次にすることは「今のあなたにとってのファーストステップを見つけること」です。

新年や新社会人になったタイミングなど、人は節目節目に目標を立てます。これからどうしようかとワクワクしながら目標を立て、明日から再出発だと意気込みます。しかし、結局は日常に忙殺され、その目標は1カ月後には忘れていることでしょう。そして今までと同じ毎日に逆戻りです。

人は、目標にはワクワクしますが、いざ行動しようとすると、大きすぎる目標は手も足も出ないです。だから多くの人が日常を優先して目標を忘れてしまいます。これが常態化することで、「自分は何をやっても駄目だ」、「いつも三日坊主だ」と思うようになります。このような学習性無力感に陥らないためにも、これからお伝えすることをやってみてください。

はじめに、あなたの目標を達成した姿をもう一度イメージしましょう。とてもワクワクすることでしょう。自然と笑顔になるかもしれません。

その目標を達成したあなたの姿が、100点満点のあなたとします。
それでは、その目標と過去を振り返りながら、今のあなたは何点でしょうか?

去年は全然ダメだったけれど、今年はうまくいき始めたという感じで40点ぐらいかなという方もいれば、もう少しで達成できるか80点!という方もいることでしょう。採点基準を厳しくする必要も優しくする必要もありません。誰に見せるわけでもないので、自分の気持ちに正直になってなんとなくで点数をつけてみてください。

点数を付けられましたか?80点や90点という方は、もうどうやったら目標を達成できるかは結構具体的に分かっていることでしょう。そのまま行動を続けて良いと思います。そうではなく、まだ目標を達成するための具体的な行動がよく分からないという方は、次のことを考えてみましょう。

今の点数を、10点あげるためには、何が必要ですか?
今の点数を、5点あげるためには、何が必要ですか?
5点UPしたあなたは、どのようなあなたになっていますか?

この質問に答えることが、あなたの目標達成力を格段にUPします。5点や10点というと、点数としては小さいかもしれませんが、何をしたら良いかが結構具体的に見えてくると思います。大きな目標を小さくし、目の前の一歩を踏み出すために必要なことを見つけるステップです。意外とすぐできそう!ということもあれば、時間かかりそうだなということもありますが、大切なのは、5点UPしたあなたをイメージすることです。それは、今から行動すれば、すぐ近くの未来のあなたです。でも、行動しなければ、いつまでもなりえないあなたでもあります。この「手が届きそうな自分」をイメージしてみましょう。

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次のステップに向けた、具体的な行動を考える

action

5点UP後のあなたをイメージできれば、そのイメージを実現するために何をするかを考えます。行動を考えるためには、大きな最終目標と同様に、5点UP後のあなたのイメージも、より具体化する必要もあるでしょう。達成するための行動も、もしかしたら痛みを伴うかもしれません。やらなければと分かっているけれども、気持ち的に進まないものかもしれません。

しかし、それが本当に必要なのか、本当にやらなければならないのかが分かるのも、この段階です。大きな目標ばかりを追っているときは、あれもこれも全部大事に見えます。しかし、5点UP後のあなたをイメージしたときには、「あれはまだいらない」「こっちの方が大切」というのが分かることでしょう。より大切なことに集中できるようになります。時間をさけるようになります。だから達成が早くなります。

また、行動には、単発の行動と習慣の行動の2種類あります。

単発の行動は、たとえば、PCを購入するとか壁紙を変えるといった、一度で済む行動です。5点UP後のあなたに必要な行動であれば、さっさとやってしまいましょう。習慣の行動は、たとえば、毎朝30分本を読むとか毎日1時間ランニングするといった、ほぼ毎日取り組む行動です。習慣化させるには、3週間取り組み続ける必要があると言われています。やると決めたら、3週間は取り組み続けることです。体調が悪くても気持ちが乗らなくても、とにかく続けることです。そしてもしできなかったとしても、そこで諦めるのではなく、次の日も取り組むことです。これを続けていると、いつの間にか行動しないと気持ち悪くなります。

日々の成長を助けるのは、単発の行動よりも習慣の行動です。5点UPさせるために必要な習慣をひとつ作ってみるのは、とても良いことです。自分の日常を変えることで、5点UPさせようと考えている自分をさらに強く意識できますし、毎日成長し続けることができます。

「自分は何も習慣化できない」と思っている方がいるかもしれませんが、多くの方は毎日3回食事をし、歯磨きをして風呂に入り、布団で寝ています。これも一つの習慣です。気づいたらスマホを触っているのも習慣です。つまり、意識的に習慣化していないというだけで、あなたは習慣化はできるということです。歯磨きのように最初は面倒だったことも、今では習慣になっています。それは、食後や寝る前などの、それまでの習慣の前後に引っ付けた行動にしたから、というのも大きいです。新しい習慣を取り入れたいときは、「寝る前に本を読む」「朝起きたら瞑想する」など、毎日必ず行う習慣の前後に、引っ付けることです。これを意識しながら、3週間なにがなんでも続けると決断しましょう。

change your habit

ここまでくれば、嫌だと思っていた行動もやる気に変わることでしょう。むしろやりたいと思えるかもしれません。あなたの心が、フォーカスが、「今のあなたの楽な環境を守ること」から「次のレベルに向けてチャレンジすること」を求め始めた証拠です。その気持ちの変化を大切にしましょう。そして、今すぐ行動を起こしましょう。

朝に目標を思い出し、寝る前に振り返る

wake up

最後に、あなたの目標達成力を格段に上げる習慣を2つお伝えします。

1つ目は、朝の時間の使い方です。特に、朝起きてすぐの時間です。この時間は、まだあなたの中で意識がぼーっとしています。つまり、無意識がかなり優位な状態です。このときに、あなたの5点UP後の姿を毎日イメージし続けてください(最終目標を達成した自分の姿でももちろんOKです)。無意識が優位なため、新しいアイディアが浮かんだり、自分の将来イメージがより具体的になったり、普段の自分の言動にすんなり取り込まりしていきます。起きてすぐの時間は無意識の力を借りる絶好のタイミングです。明日の朝からすぐに取り掛かりましょう。

2つ目は、寝る前の時間の使い方です。ここでは、その日の自分の取り組みを振り返ります。

  • この点で、いつもより良い行動を取ることができた
  • ○○さんから褒められた
  • 仕事中にやる気が切れたタイミングがあった、なぜだろう

このように、自分なりに良かったと思う点と改善したいと思う点をピックアップしていきます。少なくとも、それぞれ1つずつは取り上げましょう。改善点ばかり思いつく人は、その数以上の良かった点を意識的に見つけましょう。自分に×をつけてばかりでは、何をするにもやる気が続きません。力も湧いてきません。すぐに諦めてしまいます。改善点の2倍は、良かったことを見つけることです。どれだけ小さなことでも良いです。うれしかったことでも良いです。その気づきが、あなたの力になります。

また、良かった点も改善したい点もともに、「次、どうするか」につなげる振り返りをすることです。「失敗した、つらい」で終わるのであれば、振り返らない方が良いです。振り返りは気持ちを静めるためにするのではありません。自分を、少しでも成長させるためにするものです。そのため、良かった点をキープするにはどうするのか、うまくいかなかったことを良くするにはどうするのかを考えましょう。そして、笑顔になって次の日のやる気が湧いてきてから眠りにつくことです。そうすることで、毎日気持ちよく朝目覚め、目標をイメージし、日中パワフルに取り組み、またより良いアイディアが見つかるようになります。

振り返りのやり方については、こちらの記事にもまとめています。意外と間違った振り返りをしている方が多いというのが僕の印象です。間違った振り返りは、あなたの目標達成力を劇的に下げます。せっかく振り返ったのに、振り返れば振り返るほど悪循環に陥ります。このような誤りを防ぐためにも、こちらの記事を読むことをおすすめします。

まとめ

大きな目標を小さくするのは、定期的に行うことです。しかし、それ以外はほとんど毎日行うことをおすすめします。人は、放っておくと3日も経てば、あらぬ方向へふらふらと進み始めます。いつの間にか、今までの自分の習慣が顔を出し始めます。これほど習慣の力や無意識の力は大きいということです。これを意識で制御するには、日々の取り組み以外に方法はありません。毎日少しずつ、ほんの少しずつ成長を積み重ねていくこと、変化を実感していくこと、これが、あなたの数年後の未来を創り上げます。

そして、いつの間にか学ぶ力がとてつもなく大きくなっています。新しいこともすぐに身につけられるようになります。自分を高めることを楽しめるようになります。さらに良い結果が待っていることでしょう。守破離を続けながら、日々成長を感じて振り返り、次の日の活力にしていきましょう。

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