エンジニアの数値目標設定例 SE・PG別ポイントと目標例

goal 理想の働き方へのキャリアステップ
こんな方におすすめ
  • PG、SEの目標を数値化する方法が分からない
  • 自分のスキルが、他のPGやSEの人と比べてどうなのか不安になる
  • より高いチャレンジ目標を立てて、さらに上を目指したい

たしかに、自分が良いペースで成長できているのかどうかは不安ですよね。

とはいえ、自分の課題を目標にしようにも、どうやって数値目標として表現するのかが分からずに目標を決めきれないでいるかもしれません。

そこで今回は、PG・SEを対象にして、それぞれの目標設定のポイントとそれに合った数値目標(サンプルあり)をご紹介します。

IT未経験から大手SIerの入社し、4年連続でトップ評価を取った私から見た「PG・SE」の役割と高評価を取れるチャレンジレベルの数値目標をお伝えします。

PGの目標設定のポイント

programmer

PGの役割

PG(プログラマー)の仕事内容は、システムの仕様に従ってコードを作成することです。システムの仕様はSE(システムエンジニア)が決めます。PGの役割は、SEが作成した設計書に沿ってコードを書いてテストして設計通りに動くことを確認することです。

そのため、PGとして必要になるスキルは、早くて正確なコーディング力と条件分岐網羅の単体テストをする論理的思考力です。

PGとして求められることをもっと知りたいと言う方は、ぜひコチラの記事をご覧ください。PGとして求められるスキルや、優秀なPGが持っている意識について学ぶことが出来ます。

高評価されるPGの特徴

コーディングで高評価されるためには、QCDの観点は欠かせません。
誰よりも早く、品質良く、後工程に悪影響を出さずに仕上げていくことが求められます。

しかし、さらに上のレベルのPGになるにはコーディング力だけでは足りません。
プログラムは、ただ動けば良いというわけではありません。保守性や可用性、パフォーマンスを高めるコードを書かないと、システムのユーザーが増えたりデータが増えたりすることで急に動かなくなってしまいます。このような非機能要件も満たすコードを書くこともPGの役割です。

  • データを取得する際に、大量データを一度に取得するような書き方になっていないか
  • リクエストやレスポンスの処理で脆弱性のあるコードを書いていないか
  • 変数の使い回しやスコープの広い変数を多用して、修正しづらいコードを書いていないか

このような点を踏まえてコードを書けるPGは、どのプロジェクトでも必要とされます。

また、自分が作るプログラムだけでなく、他のプログラムでも使える共通関数を用意したり、プロジェクト開始時に必要となるライブラリやフレームワークを整備したり出来るようになると、チーム全体の生産性にも貢献できる上級PGとして活躍できるでしょう。

コードを書ければIT業界でうまくやっていけると思うのは大間違いです。システムの基本・ITの基本を知らなければ、あなたに重要な仕事は一切回ってきません。
まだ基本情報も取得していない場合は、ぜひ取得することを推奨します。データベースやネットワークに関する基本的な知識なくして戦うのは無謀です。
資格勉強に抵抗がある方、暗記に苦手意識がある方は、以下のノートがとても頼りになります。
私もこのノートのおかげでIT未経験ながら入社後すぐに基本情報、半年後には応用情報に合格できました。

これらのPGに求められる役割を数値目標にすると、以下のような目標になります。

コーディングの観点
  • Quality
    標準作成したプログラムの仕様誤りでの指摘件数を、〇件以内とする
    標準〇年後想定のデータ件数、ユーザー数でのアクセスで、△秒以内のレスポンスとする
    標準〇年後想定のデータ件数、ユーザー数でのアクセスで、DB/サーバーのCPU負荷の上昇率を△%以内に抑える
    チャレンジ開発に必要なツールを作成し、チーム全体の開発工数を〇%削減する
  • Cost
    標準自分と同じ経験年数の想定で作成された予定工数以内の時間で作成を完了する
    チャレンジ上級PG想定で作成された予定工数の8割以内の時間で作成を完了する
  • Delivery
    標準自分で立てた予実を誤差1割以内にする
単体テストの観点
  • Quality
    標準作成した単体テスト仕様書の仕様誤りでの指摘件数を、0件とする
    標準作成した単体テスト仕様書の条件分岐網羅誤りでの指摘件数を、〇件以内とする
    標準テスト実施後に、データ不備などによるテストやり直しの私的件数を、0件とする
    チャレンジプロジェクト全体で必要となる単体テストケースのテンプレートを作成し、チーム全体の開発工数を〇%削減する(品質を〇%向上する)
  • Cost
    標準自分と同じ経験年数の想定で作成された予定工数以内の時間で作成を完了する
    チャレンジ上級PG想定で作成された予定工数の8割以内の時間で作成を完了する
  • Delivery
    標準自分で立てた予実を誤差1割以内にする
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SEの目標設定のポイント

system engineer

SEの役割

SE(システムエンジニア)の仕事内容は、システム(ソフトウェア)の設計をすることです。顧客と何度も打合せを重ねてビジネスの重要なポイントを見つけ、その中でもシステムで実現できる内容を要件としてまとめます。その要件を実現するために、データベースでのデータの持ち方やサーバー構成を検討し、各機能の設計を行います。その後、PGとともにプログラムを開発した後、機能全体として要件を満たしているかをテストしてリリースするまでがSEの役割です。

つまり、SEはシステム開発の上流から下流まで、全工程に関わり主導する立場となります。
もちろん、初級SEであればその中でも詳細設計から参画したり、一部の要件の基本設計から参画したりと、スキルに応じて役割は変わりますが、すべてSEの役割としてひとくくりにされています。

そのため、SEに求められる役割は多岐にわたります。
システム全体を設計できることはもちろんのこと、顧客から要望を聞き出すコミュニケーション力、要望からあるべき姿を見つけ出す仮説思考力、プロジェクト全体のスケジュールやコストを管理する計画力など、総合的な力を求められます。

高評価されるSEの特徴

SEの役割は広いため、専門化している場合もあります。
システム全体の構成を考える人はアーキテクト、さらに上流で顧客の要望をまとめてシステム構想全体を描くのはコンサルタントなど、得意なジャンルに特化していくこともあります。

最近では、これらの区別をつけるためにもSE=顧客の業務要件をシステムの仕様としてまとめる役割、という意味で使われることも増えてきていると感じますので、ここでは要件定義・基本設計・詳細設計をベースに高評価されるSEの特徴を説明したいと思います。

高評価されるSEは、目的に対して適切な手段を取れる柔軟性を持っています。
要件をシステム化する際、要件の裏にある要望を踏まえてシステムが多くの変化に対応できるように設計することがあります。これは顧客のビジネスの発展に合わせてシステムも成長していくためにも非常に大切なことですが、作るのに時間もお金もかかるというのが課題です。そのため、せっかく柔軟なシステムにしたのに結局そのような方向にビジネスが発展せず無駄になったというケースも多々あります。

高評価されるSEは、ここを見極める力が高いです。
必要なところでは柔軟性を要求し、いらないところでは今の仕様通りで設計してコストを削減します。この点を顧客と会話しながら見極める力がSEには求められます。

また、ある程度システムの全体像が見えた段階で全体の工数を見積もって計画を立てますが、高評価されるSEはここでのズレを少なくする予測力を持っています。
初級SEはどうしても自分が作る前提で時間を見積もってしまって実績と大きくずれたり、機能が漏れていて大幅にコストがかかってしまったりします。こういうズレをなくすために、社内PGの標準的なレベル感の確認や、必要となる機能の網羅性の確認を丁寧に行っているSEは高評価されます。

これらの点を踏まえて、SEに求められる役割を数値目標にすると、以下のような目標になります。

SEの数値目標設定
  • 設計の観点
    標準作成した設計書の仕様誤りでの指摘件数を、〇件以内とする
    標準基本設計での想定漏れのユースケースを、〇件以内とする
    チャレンジ顧客からの設計に関する指摘による工数増加の件数を〇件以内にする
    チャレンジ大規模プロジェクト(金額ベース)の設計漏れによる手戻りを、〇件以内とする
  • プロジェクト管理の観点
    標準プロジェクト全体の工数を、予実差〇%以内とする
    標準プロジェクトに参加する社内PG、社内SEが設定した数値目標を達成する
    チャレンジ大規模プロジェクト(金額ベース)の予実差〇%以内とする

まとめ

今回はPG・SEのスキル面での目標例をご紹介しました。
PGは成果物におけるQCD、SEは設計と要件のズレやプロジェクト全体のコスト管理をテーマとして目標を立てることで、評価されつつスキルアップもしていけるでしょう。

ただし、プロジェクトを成功させるためには全員の協力が必要です。
上級レベルの人が多い方が成功率は高いですが、個々人がそれぞれ独立して動いてしまうとプロジェクトとしては失敗することもあります。

社内・社外問わずプロジェクトの人間関係が問題となる場合は、そのような観点での目標も追加することをおすすめします。そして、どんなプロジェクトでも活躍し続けて理想のキャリアを歩めるようになっていきましょう。

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