社会人2年目のSEに求められるレベルとそれに合った数値目標設定

2 理想の働き方へのキャリアステップ
こんな方におすすめ
  • SEの2年目は、1年目や3年目と何が違うのか分からない
  • 自分のスキルが、他の同期や他社の2年目の人と比べてどうなのか不安になる
  • より高いチャレンジ目標を立てて、さらに上を目指したい

たしかに、自分が良いペースで成長できているのかどうかは不安ですよね。

とはいえ、自分の課題を目標にしようにも、どうやって数値目標として表現するのかが分からずに目標を決めきれないでいるかもしれません。

そこで今回は、2年目のSEを対象にして、求められるレベルとそれに合った数値目標(サンプルあり)をご紹介します。

IT未経験から大手SIerの入社し、4年連続でトップ評価を取った私から見た「2年目のレベル」の標準レベルと高評価を取れるチャレンジレベルをお伝えします。

2年目に求められること

step up

2年目のSEの役割

システムエンジニアになって2年目という時期は、業務やプログラミングにも慣れてきて自分の力で出来る仕事も少しずつ見つかり始めたころです。先輩の指示に従って1つずつこなしていた仕事も、定型の業務はある程度自力でこなせるようになり、先輩に任せてもらえるようにもなっています。

また、初めての後輩も入ってきて自分が新人のときにしてもらった指導を今度は後輩にすることにもなります。電話応対や飲み会のセッティングなどの雑務や、社内システムの使い方の指導など、自分が今まで教えてもらったことは、意外と多いです。これを1つずつ後輩に教えていくことになります。

ただし、2年目はまだ自分で判断することは難しい場合が大半です。
マニュアル通りの仕事や簡単なプログラムは自分で判断できますが、他は先輩のサポートが必要です。客先に一人で常駐したり、顧客と一人で打合せをして仕様を決めたりということは少ないでしょう。

このような2年目SEに求められるレベルの主なイメージは、以下です。

2年目SEに求められるレベル(技術力)
  • IT知識
    基本情報レベルの知識を保有している。
    業務中にその知識を活かして会話や作業を進めることができる。
  • プログラミングスキル
    詳細設計をもとにプログラムを作成できる。既存のプログラムの改修でも単純なものは可能。
    条件分岐網羅の単体テストケースを作成し、エビデンスを取得しながらテストを実施できる。
  • 開発・保守の定型作業
    保守での顧客からの問合せを受け付け、作業を完了させるまでを単独でこなすことができる。
    マニュアルに従って開発・保守の作業を実施し、必要に応じてマニュアルの修正もできる。
2年目SEに求められるレベル(社会人スキル)
  • コミュニケーションスキル
    自分の意図や考えを簡潔に伝え、上司の補助のもと、他者と円滑な会話をできる
    適切なタイミングで報連相を行い、作業の手戻りや情報の入れ違いを未然に防ぐことができる
  • 定型の業務(雑務)
    顧客の電話対応で適切な敬語を用い、迅速な電話の取次ぎをできる
    勤務表や経費精算などの基本的な日常管理業務を、規定に従ってこなせる
    定型業務を後輩に適切に指導できる
  • ドキュメント作成スキル
    PPTやEXCELの資料を、上司の補助のもと、適切な形で整理してまとめることができる
    会議の議事録を誤りなく作成できる
    業務のマニュアルを、新人でも分かるように作成できる

簡単に要約すると、2年目は「一度言われたことは自力で出来る。プログラマーとして基本的なスキルや仕事の進め方は身につけている。社会人としての基礎を備えている。」状態が望ましいということです。

基本的なスキルを保有しているかどうかを確認するうえで、資格取得は一般的な判断基準の1つです。
まだ基本情報を取得していない場合は、ぜひ取得することを推奨します。
資格勉強に抵抗がある方、暗記に苦手意識がある方は、以下のノートがとても頼りになります。
私もこのノートのおかげでIT未経験ながら入社後すぐに基本情報、半年後には応用情報に合格できました。

社会人スキルの方が重視される

プログラミングスキルについては2年目の社員側も重要だと認識しているため、自分でも勉強しつつスキルを高めるために取り組んでいることだと思います。

しかし、本当に大事なことは、社会人としての基礎です。
1年間企業に勤め、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方を学んできたことと思います。

「なんでも質問できるのは1年目まで」です。
2年目になっても何度も同じ指摘をされたり、電話対応で何度も粗相をしたりすると、社内ではあなた自身に対する疑いが生まれます。

  • あの人はいくら教えても勤怠や経費精算で同じミスをする、新しい仕事をお願いしたいけれどもまだ難しそうだ
  • 電話の取次ぎも難しいなら、客先での打合せに連れていくのはまだ先だな
  • あの人は彼はあいさつもしないし、いつも元気がない。これではチームの士気も下がるから重要なポジションを任せられない

上司にこのような思いを持たれてしまうと、あなたにはスキルアップにつながる仕事が来にくくなります。社内の大事なプロジェクトに誰をアサインするか話している際、あなたの名前が誰の頭にも浮かばなくなります。
これが続くと、あなたの評価は上げたくても上げられない環境になってしまい、著しく成長が遅れてしまいます。

2年目にとっての社会人スキルは、いわゆる「雑用」と呼ばれる仕事の中で高められていきます。
雑用ばかり押し付けられて嫌な思いをしているかもしれませんが、上司から言わせれば、雑用ができない人に業務は任せられません。

2年目になってもまだ雑用がおぼつかないのであれば、まずは仕事を1つずつ丁寧にこなせる人になりましょう。

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2年目の数値目標例

target

2年目に求められるレベルを踏まえて、半期や年度の目標としてどのような文章になるのかの例をご紹介します。

2年目の標準レベルの目標とその上のレベルにつながるチャレンジ目標を記述しています。
自分の達成度合いに従って適切に目標設定をしてください。

スキル観点

QCDの観点
  • Quality
    標準作成したプログラムの単体テストのバグ発生件数を、〇件以内とする
    標準作成したプログラムの単体テスト後レビューでの品質に関する指摘件数を、〇件以内とする
    チャレンジ開発予定工数3人日以上のプログラムを上司の補助なしで完了させ、テストケース・コーディングともに指摘件数を3件以内とする
    チャレンジ自身の作成するプログラムに関連する処理での結合レベルの不具合を3件発見する
  • Cost
    標準初級エンジニア想定で作成された予定工数の8割以内の時間で作成を完了する
    チャレンジ中級エンジニア想定で作成された予定工数の8割以内の時間で作成を完了する
  • Delivery
    標準納期までに作成を完了させる
使用している技術の観点
  • 資格取得
    標準応用情報技術者を取得する
    標準ベンダー資格の基礎レベルを取得する
    チャレンジIPAのスペシャリストの資格を取得する
  • 学習の継続
    標準○○に関する本を〇冊読む
    チャレンジ理解した内容を教育資料としてまとめてチームに共有する

業務観点

プロジェクト業務
  • プロジェクトでの作業
    標準上司の指示に従い、プロジェクトのルールに沿った開発や工数管理を行える
    チャレンジ自身の開発方法をチーム内に共有し、チームの開発工数を1割削減する
  • プログラミング以外の知識・理解
    標準自分の端末の開発環境構築を一から上司の補助なしで行える(作業誤り件数を〇件以内とする)
    チャレンジ自身が携わっている業務のアーキテクチャ構成(DBやネットワーク、サーバー構成)の内容と意図を説明できる
  • 定型作業
    標準定型のリリースや保守作業のうち、〇〇のタスクを上司の補助なしで行える(作業誤り件数を〇件以内とする)
    チャレンジ定型作業のマニュアルを〇件作成し、チーム内に共有する
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社会人スキル観点

社会人スキル
  • 報連相
    標準適切なタイミングで報告・連絡をし、上司から催促されることがないようにする
    標準適切なタイミングで相談をし、作業の手戻りを現状から〇割削減する
  • 資料作成、プレゼン
    標準社内でのプレゼンの場でプレゼンターとして話す
    チャレンジ社内でのプレゼンの場でプレゼンターとして話して高評価(順位、絶対評価の点数、好意的なフィードバック)を獲得する
  • 後輩の育成
    標準上司の指示に従い、後輩に定型業務や雑用のやり方を教え、後輩が補助なくできるようになる
    チャレンジ部内の新人教育の場で講師として指導する

まとめ

2年目のチャレンジ目標は、チーム内への共有を中心として、一人で仕事を完了させることからチームへの発信に変わることです。

正直、2年目でここまでできる人は少ないでしょう。まだ自分の仕事で手一杯というのが標準です。
しかし、その中でも自分に出来ることも少しずつ出てきていると思います。出来ることからで良いので、チームに発信したり他のチームの人と交流して知見を広め合ったりして、チームに関われる人になっていきましょう。

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