文系卒・IT未経験が、高単価のフリーランスエンジニアになるステップ

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文系でIT未経験でも、フリーランスエンジニアとして第一線で活躍している人がいます。
彼らは日々何を考え、どうやって自分のキャリアを築いていったのでしょうか。どうやって年収1,000万円を超えるエンジニアになれたのでしょうか。

ここで紹介しているのは、文系卒・IT未経験の僕が、社会人7年目で月に150万円以上の単価のフリーランスになった実例です。
もちろん、SEの業務のみでの収入です。残業もなしです。
時給ベースで約1万円を頂けているという状態です。

僕が、どうやってこのキャリアを築いたのかをご説明します。

ここでお伝えする内容
  • IT未経験・文系卒でも実践できる、高単価フリーランスへの道
  • あなたがすでにIT企業の会社員なのであれば、あなたの現状と次に踏むべきステップ
  • これからフリーランスになろうとしているのであれば、稼げるフリーランスになれるかのポイント

高単価のフリーランスを目指すあなたが、どう学習し何を意識して仕事をしていくと良いのか。
どういう状態になったら、フリーランスになってもお仕事を頂けるのか。
経験者として、失敗しないためのノウハウをお伝えします。

ぜひ、ご自分の現状を重ねながら読んでいただけると楽しめると思います。

概要

ざっくりですが、僕の経歴をお伝えします。

僕の経歴
  • 就職
    大手SIer入社
  • 1-4年目
    社内評価連続トップ
  • 5年目
    初の客先常駐で撃沈
  • 6-7年目
    複数の客先常駐で成功を積む
  • 8年目
    高単価SEとして独立 ←今ここ

ここからは、各ポイントで何を意識したらよいのか、何を身につければ高単価のフリーランスになれるのかを書いていきます。

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IT歴0年 就職

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「フリーランスのエンジニアになろう!」
「友だちよりも自由で高収入を得られるビジネスマンになろう!」

そう思ってIT業界で働こうと考えているあなたは、最初のキャリアをどう踏み出すべきでしょうか。

いきなりフリーランスになりますか?
小さくても自社システムを作っている会社に入りますか?
実力相応の会社に入りますか?

残念ながら、どれも間違いです!

できるだけ、大きな会社に入社してください。
自社開発だろうがSIerだろうが関係ありません。これをやりたい(ゲーム作り、AIの開発など)というものがないのであれば、できるだけ大きな会社に入ることです。
大きな会社には、以下のようなメリットがあります。

  • 大きな会社には、それだけのノウハウや高い品質を担保できる開発プロセスがあります。
  • 大きな会社から小さな会社への転職は比較的容易ですが、逆は難しいです。
  • 大きな会社に入る方が、優秀なエンジニアに出会える可能性が高まります。

フリーランスを目指すにあたり、会社員という経験をする理由は、一人では得られないスキルや経験を実体験で手に入れるためです。

多くの人が勘違いしている点として、技術力=コーディング力だと思っているという点です。
残念ながら、SEにとってコーディングは単なる手段にすぎません。ましてや高単価のフリーランスを目指すのであれば、コーディングができるだけでは不可能でしょう。

  • お客様の思いを、システムに仕上げる設計力
  • プロジェクトを管理し、最後まで形に仕上げるコントロール力
  • チームを円滑かつ生産性高く活動させる影響力

これらの力の方が圧倒的に必要になります。そして、案件の規模が大きくなればなるほど、より高度な力が求められる領域です。

つまり、大きな案件に入らなければ、得られない経験やスキルがあるということです。だからこそ、できるだけ大きな会社に入ることを勧めています。大企業には、そのノウハウも案件もあるからです。
フリーランスになると、すべてをひとりでこなす必要があります。誰も教えてくれません。誰も助けてくれません。フリーランスになってから得られる経験だけでは限界があるため、会社員という立場を存分に活用して、これらの経験をしていきましょう。

ファーストキャリアとして明確な目標がないのであれば、大企業を目指しましょう。

  • 最初のキャリアは、できるだけ大きな会社から始める
  • 会社選びのポイントは、一人では得られないスキルや経験をどれだけ得られるか
  • 新卒であれば、SIerは未経験でも大手に入社できる

1-4年目 社内評価連続トップ

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僕は、運よく売上が数千億円を超える大手SIerに入社できました。

しかし、ここで安心してはいけません。ここからがスタートです。会社に入れたからといって高単価SEになれるわけはありませんよね。

会社員としてどのようなキャリアを歩むかが重要です

これは、入社してすぐのタイミングから試されています。
初めて配属先に行ってあいさつをするそのタイミング。ここでバカだと思われたらおしまいです。新人らしく、明るく元気にあいさつをしましょう。悪い印象を与えないということは、最低限必要なことです。

日々の仕事の進め方、取り組み方も当然重要です。
案件に入ったらどうするのか、どうすればよい案件に巡り合える確率を上げられるのか、これらをお伝えしていきます。
ポイントは、以下の3点です。

  1. どんな仕事からも、会社員として得られる経験を最大限に得る
  2. 社内評価こそ最大限に高める
  3. 技術力も高める
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どんな仕事からも、会社員として得られる経験を最大限に得る

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誰でも最初の案件に配属されます。
僕の場合、最初の案件はVB6からVB.NETへのコンバート案件でした。ちょうど大きな案件が終わったタイミングで社内に案件がなかったため、2人でできる小さな案件に無理やり入れてもらいました。

正直、案件ガチャで言うとハズレです。
しかし、当時の僕はそのようなことは全く思いませんでした。ITに関して何の知識もない中、初めての仕事にワクワクしていた覚えしかありません。

職場では先輩の働き方やコードの書き方を見て、同じように書いては動かして確認しての繰り返しです。家に帰ってからは、さっそく買ったVBの本を勉強しました。

つまり、会社員として得られるものを最大限得ようとしていました

  • 自分流や本のままにコードを書くのではなく、実際に現場で活躍している先輩のまねをする
  • ある程度出来上がったら、先輩にレビューをしていただく
  • テストを体系的に行い、なんとなくではなく厳密に品質を高める方法を学ぶ
  • 飲み会に行ったら、できる先輩の仕事の仕方や経験を聞きまくる

すべて、いきなりフリーランスになると得られない経験です。これが会社員として働く意味です。

アサインされた案件が嫌だったから会社を辞めるという人は、
その仕事もできないのに高単価フリーランスになれるのか?
高単価フリーランスになるような人であれば、この仕事をどうこなすだろうか?
と考えてみてください。きっと、あなたの振る舞いが変わると思います。

何も知らない若手の立場で、今の自分に合うか合わないかで仕事を選ぶようでは、自分の価値を高める気がないと言っているのと同じです。
嫌な仕事に耐えるのではなく、嫌な仕事を自分に活かす方法を自分で探してください。その積み重ねが、あなたの価値を高めてくれます。

社内の評価こそ、最大限に高める

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そして、もう一つ僕が取り組み続けたことがあります。

社内での評価を高めることです。

フリーランスになるのに評価など関係ないと思うかもしれませんが、それは間違いです。
徹底的にこだわってください。

理由は2つあります。
1つ目は、評価によって得られる経験が変わるから
2つ目は、社内で勝てない人が高単価フリーランスにはなれないから
です。一つずつ説明していきます。

評価によって得られる経験が変わる

どの会社でも、優秀な社員には会社の社運がかかるような重要な案件が任されます。つまり、より大きな案件、価値のある経験をできる可能性が高まるということです。
ビッグプロジェクトへの参画、有望な社員だけを対象としたリーダー研修、海外の視察・・・。すべて優秀社員から順番に決まっていきます。これらの経験をし続けることが、あなたの価値に直結します。

そのためには、優秀だと評価される必要があります。出世するつもりの有無にかかわらず、出世レースに負けると、高単価フリーランスへの道も限りなく狭まるということです。

そして、この「あなたの評価」に最も影響するのが、入社1年目の評価です。

1年目で高評価を得た人は、評価が落ちるまで良い案件にアサインされ続けます。
× 1年目で高評価を得られなかった人は、あまり良くない案件にアサインされるため、評価を上げることも難しくなります。

これが世の中の真実です。だからこそ、1年目の評価が大切です。そして、高評価を取り続けることです。誰かに負けている場合ではありません。会社として、あなたに投資をしたいと思ってもらえるように高い評価を取り続けてください。

社内で勝てない人が高単価のフリーランスにはなれない

フリーランスとは、通常どのような人がなるものでしょうか。
自分の手取りを増やしたい、いろんな案件に入りたい、会社が嫌になったから、もっと自由に働きたいから・・・このような自分の都合のみの理由では苦しむことは目に見えています。

通常、フリーランスになる人というのは、
会社で圧倒的に活躍している
自分の力で活躍できると確信している
最低限、この2点は持っていないと厳しいです。高単価のフリーランスともなるとなおさらです。

つまり、会社員として受ける評価は、あなたがフリーランスとしてやっていけるかどうかの、重要な一つの基準になるということです。
ここをおろそかにすると、あなたは何の根拠もなくフリーランスに踏み出すことになります。博打はやめましょう。地に足をつけましょう。ある程度の客観的な目で周りと比較しましょう。

今評価されていないのであれば、何としても高評価をもらいましょう。
大手でトップ評価を取れれば、それなりに大丈夫だと思えるでしょうから、社内評価にこだわりましょう。同期に負けるなどもってのほかです。いくつ上の先輩と対等以上に話し合えるかを重視しましょう。社内で勝てない人は、高単価フリーランスにはなれません。

僕が1年目から取り続けた行動

上記2つの理由から、僕は社内評価にこだわり続けました。
具体的に僕が何をしたのかというと、自分のその時点の力でできる最大限の貢献です。

  • 可能な限り、速く開発を仕上げる
  • 先輩の作った画面を1文字レベルで確認し、バグがないかを穴が開くぐらい探す
  • 飲み会に行ったら、注文や店の予約など雑用全般をこなす
  • 評価制度を理解し、ポイントの上がる行動を探して実行する

あなた自身の価値という意味では、1番目が大事でしょう。フリーランスとしてもあなたの価値に直結する部分です。

しかし、会社で得られる価値を最大化するためには、「チームメンバーとしてのあなたの価値」も同じように重要です。
決して、他を蹴落として自分の評価を上げるのではありません。直属の上司以外からの依頼は無駄だから受けないなどもってのほかです。あなたの評判は、あなたが入っている案件だけでは決まりません。
どの仕事も何につながるのかが分からない間は、手を抜かずにきちんとこなしましょう。

これらに取り組むことで、IT未経験だった僕は1年目から社内評価トップをいただきました。それも4年連続です。同じ階級の人同士での比較のため、新人のときは4年目までの人と比較されていました。
当然、自分よりも技術力のある人はいました。その中でも僕が選ばれ続けた理由は、上記の取り組みのおかげです。周りよりも評価にこだわりを持ってコツコツ必要なことをやり続けた結果です。

最初にトップ評価を取りさえすれば、次も大体上位には入れます。2回目もトップを取れば、もう同期は張り合おうとするのを諦めます。あとは自動的に勝ち続けることになります。
やはり、最初が肝心ですね。

当然、技術力も高める

coding

最後に、この4年間まったく技術に目を向けなかったのかというと、そんなわけはありません。むしろ逆です。土日もずっとプログラミングをしていました。

僕の場合、たまたま短期間で複数の案件に入ることができました。そのおかげで、いくつもの言語・開発環境・運用ルールに触れることもできました。
どれも30点ずつぐらいですが、それぞれを比べると理解が深まります。このような経験を得られたことはラッキーです。

また、仕事で使うものは家でも用意して勉強していました。
新しい言語になれば新しく本を買い、会社の開発基盤やフレームワークと同じものを、自作してプログラミングの理解を深めていました。
結果的には、会社のフレームワークを使った開発は、僕が一番早く正確にできる人になっていました。

この辺りは高単価フリーランスを目指す時点で当然のことなので、今更話す必要はないと思います。仕事で使わない言語の勉強をするのももちろんOKです。

ただし、前述したように会社にフレームワークがあるのであれば、せっかくなので同じものを自作してみましょう。何をどう書いたら開発効率が上がるのかという勉強に非常に役立ちます。本には書いていない知見が盛りだくさんです。

高単価のフリーランスになると、お客様の開発基盤・フレームワークを作るという仕事を任されることも多々あります。そのための準備としても有効に活用してください。
※もちろん、社内のコードを持ち帰る等セキュリティに触れることはNGですよ。

  • 仕事から最大限の経験、価値を得る
  • 社内評価を上げる努力を惜しまない
  • どの案件でも、高い評価を得続ける
  • 当然、技術力は高める

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5年目 初の客先常駐で撃沈

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これまで順調に進めてきたSE人生に暗雲が立ち込めます。
精神的にどん底で何をしたらいいのか分からなくなリました。

社内でトップ評価を取り続け、順調に仕事を進めてきた僕は、お客様先に常駐することになりました。
5年目にして初めての常駐作業です。月~金までお客様先に出社し、お客様と一緒にシステム開発をし、家に帰るという生活です。
自社の人間には月に一度ぐらいしか会いませんでした。

僕がアサインされた案件は社運をかけたプロジェクトにつながるものでした。僕が先にお客様の評価を得て、次の大きな案件を得られる流れを作るというのが僕のミッションでした。

最初は良い感じで進んでいました。
お客様との関係も良好、コーディングはもちろん問題なし。楽しく仕事ができていました。
しかし、とあることからお客様との関係が崩れ始め、その修復ができずこじれてしまいました。
最終的にはお客様側の問題を僕のせいにされました。早く自社に帰ってほしいと思われたのだと思います。

撃沈しました。仕事をするのが嫌になりました。初めて朝起きるのが面倒になりました。

高単価のフリーランスを目指すのであれば、お客様先で作業をした経験があると、将来の仕事のイメージが付きやすくなります。
自分の単価と評価もはっきり提示されるため、フリーランスになる前の実験場として非常に有意義です。

実験失敗です。今ではいい経験になったと思えますが、当時は精神的にもきついものでした。
まだまだフリーランスにはなれないなと思いました。フリーランスになる前で良かったとも思いました。

ここで大事なのは、後悔する必要はないということです。
プロジェクトが失敗する際、損をするのは会社です。
僕は非常に良い経験を得たという意味で得をしています。

ここが会社員の良いところですね。このようなチャレンジの案件では失敗することも考慮されているため、ある程度安全な環境で実験をできます。取り返しのつかないものは困りますが、そうでなければたくさん失敗もしましょう。もちろん、全力で取り組んだうえでですよ。
※幸い、僕のせいではないところでそのお客様との関係は終わりを告げたので、僕の評価にはほとんど影響しませんでした。

技術力だけでは、高単価フリーランスにはなれない

not only skill

この経験で気づいたことは、
フリーランスは、技術力だけではやっていけない
ということです。

どれだけ技術力が高くても、お客様の要望を聞き取って形にする力がなければ、ただの作業者です。
どれだけ複雑な処理を作れたとしても、チームになじめなければその力を発揮する場は得られません。
どれだけ早く開発ができても、チームの生産力には到底及びません。

チームになくてはならない存在にならなければ、高単価フリーランスにはなれないということです。

普通のフリーランスであれば、技術力だけでもやっていけるでしょう。お客様との関係が悪くなったとしても、次の案件に入ればリセットできます。

しかし、高単価フリーランスはそうはいきません。そもそも高単価を払えるお客様が少ないです。簡単に出会えるものでもありません。技術力を持つ人はお客様内にもいます。
簡単に終わるような関係にするわけにはいかないということです。一度契約すれば、長期契約は当然。お客様側から契約の延長の依頼があり、こちらは必要とされる間はいくらでも仕事をもらえる状態になることが重要です。

  • 複数の関係者をうまく調整して案件を円滑かつスピーディに前に進める
  • お客様のシステムの肝の部分を抑えつつ、新しい相談がすべて自分に入ってくるようにする
  • チームを鼓舞し、お客様の技術者が他よりも圧倒的スピードで成長する環境を作る

一例ですが、技術力に加えてこのような力を持っていれば、お客様としても手放したくない人材になれるでしょう。

コミュニケーション力を高める

communication

当時の僕は、自社の人間とは協力関係にもあるため問題なく会話できました。
問題は、社外の人とのコミュニケーション力にありました。

このことに気づいてからコミュニケーションのセミナーに入り浸りました。
数年間、ほぼすべての土日とトータル数百万円を投資しました。もちろん、会社員として稼いだお金から出しています。
僕がセミナーで得ようとした力は以下です。

  • 初対面の相手でも、自分に一目置き、自分の意見に価値を感じて進んで取り入れようと感じるような関係を意図的に作る
  • 面白そうな仕事が見つかったら、相手が進んで自分に相談をしてきてそのままアサインされるような信頼、信用を得る
  • 相手がだれであっても、自分との会話を楽しみ、会話の終わりには前向きになってやる気があふれてくるようなリーダーシップを取る

このような力が得られるセミナーはどこにあるのかというと、普通に受けるだけでは得られないでしょう。どれも受け身で得られる力ではありません。座学で得られるものでもありません。
参考までに、以下のような目的でセミナーを受けようとするのは、やめておきましょう。

  • 人と信頼関係を作る方法を知りたい
  • ビジネスマンとして、交渉術を身につけたい
  • 相手のニーズを聞き出す質問力を身につけたい

これではセミナーに行っただけで満足し、実生活では何も生かせずに終わるでしょう。セミナーの各回で得られる学びの枠を出ていないからです。

一言でいうと、僕が求めたのは高単価フリーランスになるための再現性と根拠のあるコミュニケーション力です。
天才的にコミュニケーションがうまい人はいます。しかし、彼らはなぜそれができるのか、理由を知らない場合が多いです。

僕のようなコミュ力のない人間は、そのような天才から見て学ぶことはできません。その背景やそれまでの積み重ね、意図を理解できないからです。効率的ではないことや無価値と思えることが多々あります。それが本当は価値のあるコミュ力の源泉だとは気づけません。

だから、セミナーで原理原則を学びました。ビジネス用のセミナーではありません。もっと根本的な知識・知恵を得られる場を選びました。

ハウツーは時代によって変化しますが、原理原則はいつの時代も通用します
一度学べば一生ものになります。

何から学ぶかは人それぞれですが、できるだけ原理原則が学べる機会を選びましょう。
小手先のスキルはすぐに枯れます。プログラミングでは枯れた技術を嫌っているのに、別の分野ではそれで満足するなどあってはなりません。

学ぶなら徹底的に。そうでないなら他人に任せるかつ手を出さない。
これぐらいこだわり抜かないと、ひとつのゆるみが全体の悪印象へとつながります。抜け目なく、着実にスキルアップしていきましょう。

  • 技術力だけでは、高単価フリーランスにはなれない
  • どのチームに入っても、なくてはならない存在になる
  • 学ぶなら、原理原則を学ぶ

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6-7年目 複数の客先常駐で成功を積む

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最初の客先常駐で大失敗した僕は、次の客先常駐案件に入りながらコミュニケーションを学び続けました。そして、お客様に即実践しました。

もちろん、うまくいかないときもあります。予想以上にハマるときもあります。
それぞれなぜかを徹底的に分析して次に生かします。技術力向上のステップと同じです。すべては会社員の間に実験しまくることです。
ローリスク・ハイリターンな会社員、万歳です。

当然ですが、徐々に成功率が高まります。お客様からの評価も高まります。単価が高くても一切文句を言われなくなります。
ちなみにですが、大手企業にいるだけで客先常駐の単価は高くなります。間に仲介企業もほとんど入りませんし、大手にいるというだけで信頼と実績があるはずの人間として扱われるからです。高単価の経験を積める機会があるということも、大手企業のメリットです。

契約の延長を望んでいただけるようにもなりました。ほかの人は要らないけれど、あなたには来てほしいとも言われ始めます。僕が自社に戻ることがプロジェクト内で一番のリスクだと言っていただけるようにもなりました。僕に残ってもらうために、新しい技術や面白い案件の仕事を優先的に回していただけるようにもなりました。

このように、実験が一段落したと感じたときに探し始めるのが、フリーランスになるきっかけです。
技術力も問題なし、案件で必要とされるようにもなった、後はいつフリーランスになるかだけです。
どのように決めるものでしょうか。
僕のおすすめするポイントは、以下の3点です。

  1. 自社でまだ学べることはあるか
  2. フリーランスとしてやりたい仕事のイメージはついているか
  3. イメージに合う仕事を(すぐに)得られそうか

ポイント1 自社でまだ学べることはあるか

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客先に常駐している間、実は少し心配していました。
自社でもっと面白そうな案件が始まっているのではないか、もっと良い経験を積める仕事が他にあるのではないか、と。

だからこそ、自社に戻る数少ない機会を活かして、先輩の仕事を聞いて先進的なことをしていないかを確認しまくりました。見つかれば、そこでじっくり話を聞き、得られるだけの知見を得ます。

学べることはできるだけ吸収することです。
大企業にいれば、それだけ知見が豊富にあります。最新の情報もそれなりにあります。これを得ずしてフリーランスになるのはもったいないです。大事なことを聞き漏らさないようにしましょう。

このような動きをしていると、いつしか得られる情報が少なくなっていることに気づきました。反対に、自分が伝える側になることが多いことに気づきました。

これが、1つ目のポイントです。
この会社に居続けるデメリットと、この会社で得られるメリットを比較した際、デメリットが上回ったタイミングから転職やフリーランスの道を真剣に探し始めます。機会があればいつでも行ける状態を作りましょう。

ポイント2 フリーランスとしてやりたい仕事のイメージはついているか

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あなたは、高単価であることは前提として、どのような働き方が理想ですか?

  • 仕事の内容、求められるレベル
  • 勤務時間、勤務体系、場所
  • チーム内でのあなたの立場、チームメンバーとの関係

これらをイメージする前にフリーランスになるのは心配です。
せっかくフリーランスになったのに、激務で雑用みたいな仕事ばかり、チームメンバーは愚痴ばかりで案件としても面白くないということになりかねません。高単価フリーランスとして得られるはずのメリットがことごとくない状況では、長く続けることはできないでしょう。

実際、高単価フリーランスの方が仕事の融通は利きます。

  • お客様があなたを必要としていれば、あなたがやりたい案件を優先的に回してくださいます
  • 働き方も自分で選べます。いつ休むかも決めやすいです
  • チームでも重要なポジションになるため、考えを発信しやすいです

これだけ良いポジションを得られる機会があるにもかかわらず、それを得ようとしないのはもったいないです。
今の仕事がどうなれば、もっと楽しく働けるのか。そうするにはどうしたら良いのか。焦らず経験を増やしながら比較検討し、理想を見つけていきましょう。

ポイント3 イメージに合う仕事を(すぐに)得られそうか

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前述したやりたい仕事のイメージ、これは「いつかやりたい」というものではありません。「今やりたい」「今すぐ形にする」ということが一番の理想です。

今、フリーランスになったとして、理想のイメージに合う案件を得られるか

このポイントをクリアしたのであれば、GOです。フリーランスになる準備と並行して、理想の案件を得られる準備を粛々とこなしていきましょう。

反対に、どれか一つでもポイントを押さえられていないと感じるのであれば、もう一度立ち止まって考え直してみましょう。
今の会社が嫌だからフリーランスになるといったネガティブな発想での選択だけは避けてください。ネガティブなときというのは、人は100%の力を出せません。人生について大きな決断をしようとしているときに、十分でない思考に基づいて判断することは危険です。簡単に後戻りできない選択だからこそ、慎重になりましょう。

  • 焦ってフリーランスになってはいけない
  • スムーズにフリーランスに移行できる流れを作る
  • 今の会社が嫌なら転職が先

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8年目 高単価SEとして独立

achieve

このタイミングで、やっと独立です。
ここまで長く待ちましたが、待った甲斐があったと思えるほどのリターンを得られる準備はしています。

しかし、ここで間違えると大変です。今まで築き上げたものが一瞬にしてなくなってしまいます。一番大事になってくるのは、誰に最初に話すかです。

最初に話す相手は、お客様です。
自分がフリーランスになろうと考えている、もしくは別の会社に転職するつもりである旨を伝えます。そのうえで、立場が変わった自分を使ってくれる案件があるかどうかを確認します。

最初は何も案件がなく、フリーランスになってから初めて専用サイトで案件を探し始めるという人もいます。
これは自営業になる人の計画としてはナンセンスです。
仕事がないのにフリーランスになるというのは、自分の生活レベルを下げる行為でしかありません。フリーランスになるのであれば、案件が決まってからなりましょう。

連絡を取ったお客様がぜひ私の会社に来てくださいと言ってくださるのであれば、最初の一歩は完了です。以前常駐したことがあれば自分が提供できる価値を理解していただいていますし、単価の交渉もやりやすいですね。

お客様との案件の約束ができてから、上司へ相談します。
当然、転職を止められます。あの手この手であなたを引き留めようとします。すべて無視しましょう。もう次の案件も決まっているため、怖いものなしです。

どれだけあなたの給料を上げると言われても、次の案件ほどの金額には上げられないでしょう。
どれだけあなたのやりたい仕事にアサインすると言われても、社内にそれほど面白い仕事は残っていないでしょう。
どれだけ良い役職を与えると言われても、、、って役職は魅力には聞こえないですよね。

何を言われようが、未練なく会社を辞められると思います。
ただし、けんか別れだけはしないように!
辞めた会社も将来は自分のお客様になる可能性があります。お客様先でばったり出会う可能性があります。円満に別れておかないと、あとで困ることになりかねません。
悪い噂が立たないようにするためにも、今までお世話になりました、今後の挑戦を応援してくださいと言ってお別れしましょう。

こうしてめでたく退社した僕は、すぐに月単価150万円超のエンジニアとして案件に入りました。前の会社で辛抱強く機会を待ちつつ、足りない力をつけたからこそ、今があります。数か月フリーランスとして仕事をするだけで、会社員時代に投資したお金はもう取り戻せます。新しい投資もできるようになります。これからは、この好循環を活かして、次のビジネスを作っていこうと考えています。

  • 次の仕事が決まってから、上司に辞める相談をする
  • 会社を辞める際は、円満に辞める

まとめ

おめでとうございます!
おそらく90%以上のエンジニアは、ここまで読みません。
何も業界のことを知らないにも関わらず、自分の考えることが正しいと信じて大きな過ちを犯して倒れていくのが落ちです。

月単価100万円で満足なのであれば、いきなりフリーランスになってもたどり着けるでしょう。
世の中に案件もたくさんありますし、技術力だけでもなんとかなる世界です。単なる働き手に対する金額ですから。

月単価150万円を超えるとなると、そう簡単には行きません。
案件数も少なく、そのほとんどは一般に募集されるものでもないです。当然です。仕事を依頼する側は大企業、依頼先は信頼のおける大手のSIerとなるのが普通だからです。大企業はそもそもフリーランスには仕事を依頼しません。案件紹介サイトに依頼しなくても、SIer側に話をすれば優秀な人が確実に手に入ります。誰が来るかも分からないというリスクを取る理由が全くないということです。

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私が歩んだ、『文系卒・IT未経験の僕が、20代で月単価150万円超のフリーランスエンジニアになるまで』のステップは、このような閉ざされた世界にフリーランスとして入るための再現性のあるステップとして、有益な情報となるでしょう。

  1. どの案件に入っても活躍する
  2. 高単価での成功体験を積む
  3. 自分の顧客を得て、フリーランスになる

これが、会社員から高単価フリーランスエンジニアになるまでのステップです。
しかし、読んでお分かりになるように、非常に狭い道なのは確かです。誰もがすぐに達成できるかというと、難しいでしょう。

この金額に見合う価値を出し続けるには、当然それだけの実力が必要です。
常に学び続ける、新しいことも自分で調べて実装できる、チームの課題を根本的に解決する、チームをリードする・・・。当たり前にやってください。できて当然のため、褒められることもほとんどありません。

あなたが高単価フリーランスエンジニアを目指すのであれば、各章を何度も読み直しながら、自分の現状を確認してその時に必要なタスクをこなしていきましょう。
焦らず確実に進むことが、成功への近道です。

何かあればいつでも僕のところに相談に来てください。
いつか皆さんとお会いし、お話しできることを楽しみにしています。

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