会社員として技術力も身につけ、そろそろフリーランスになろうと思っているのであれば、その前にこの記事を読んでください。
策もなくフリーランスになって、収入が激減するSEが後を絶ちません。
今の仕事でうまくいっているから、フリーランスでも活躍できると思ったら大間違いです。
私の感覚としては、会社で得られることと費やす時間が釣り合わなくなった時が、辞め時です。それまでは会社員を続けたほうが良いでしょう。
今回は、安易にフリーランスにならずに会社員を続けた方が良いと考える理由を10個お伝えします。
収入を得ながら勉強できる
会社は人を育ててくれます。フリーランスは誰も育ててくれません。
あなたのためを思って仕事を振ってくれるのは、あなたが会社員だからです。何の経験もなくても案件に入って経験を積めるのも、あなたが会社員だからです。
フリーランスになるのであれば、経験したことがない技術であっても今までの技術と経験でカバーできるぐらいにはなっておきましょう。
そして、誰よりも早く新しいことを学んで価値を提供できるようになっておきましょう。
ここまで出来ないと、高単価フリーランスは厳しいです。
個人では用意できない資源がある
フリーランスになると、必然的に勉強にかけられるコストが減ります。
すべて自腹になるため、大きなシステムを作って勉強できません。
こうなる前に、多くを学んでおくことです。
Oracle,SQL Database,AWS,Azure・・・
高額のツールを使える機会は少ないです。これらを使ったプロジェクトに積極的にかかわることが大切です。
また、プロジェクトをはじめ様々な有料のツールを使えるのも会社員の良さです。
このようなツールの検討には、プロジェクトが始まるたびに時間がかかります。
有料のツールについて知っていれば、無駄なコストをかけなくて済んだとお客様に喜んでいただけます。
QCDを向上させる開発プロセスを学べる
開発プロセスは、経験を積むほど洗練されます。
そして、その開発プロセスをあなたが理解できていないのであれば、ほぼ確実に、あなたの考えるベストのプロセスよりは良いものです。
会社には、それまで数多のプロジェクトで得た経験に基づく確固たるプロセスがあります。
これを学ばずにフリーランスになるのは、大きな損害です。
今後するであろう失敗の多くを防ぐことができます。
高単価フリーランスは簡単に失敗するわけにはいきません。
プロとしてお客様のプロジェクトを成功に導くためにも、開発プロセスはかかせません。
チーム管理の手法を学べる
プロジェクトは一人で進めるものではありません。
必ずチームで開発をしていきます。
フリーランスになったとしても、チームで仕事をすることは変わりません。
自分のことばかり考えて仕事をしていると、案件から放り出されます。
また、高単価フリーランスであれば、必然的にチームを管理する立場やテックリードとして案件に入る割合が高くなります。
その中で自分しかテンポよく開発ができないような状況になるのは避けなければなりません。
お客様は、結局自社の社員の成長に関心があります。
あなたがいくらうまくいっても、何も会社には残りません。
だからこそ、チームが大変なときでもメンタルが傷つかないようにメンバーを管理できるスキルや全体の工数や進捗を把握するスキルも必要になります。
フリーランスになる前に、様々な案件でこのような立場を経験しておきましょう。
しくじっても責任が少ない
会社員は、大きな失敗をしても金銭的な賠償をするリスクが少ないです。
※キャリア的なリスクはあるので、お気を付けください。
会社員の間にたくさんチャレンジをしましょう。
失敗したら仕事を失うフリーランスとは違い、会社員はやりたい放題です笑
正しく失敗して、ハイスピードで成長することです。
自分が失敗しそうな案件が社内にある間は、会社員のままの方が良いかもです。
自分が良い経験を得られそうな仕事をやり尽くしてから、フリーランスになりましょう。
優秀な技術者から学べる機会がある
会社に、自分よりも優秀な先輩がいるというのは、非常にありがたいことです。
フリーランスは良くも悪くも孤独です。
成功しようが共有できる相手はいません。ほめてくれる人もいません。
失敗しても手伝ってくれる人はいません。
それよりも困るのは、教えてくれる人がいないということです。
技術については調べれば分かります。本を読めば知識は身につきます。
しかし、経験で分かることや仕事の考え方は、調べても見つかりません。
これらを学べるのが会社員です。
優秀な先輩からもらえるだけもらいましょう。
まだあの人の話を聞いていないという人がいるのであれば、すぐにでも話をしに行きましょう。
自分の実力が通用するか実験できる
高単価フリーランスになるために、絶対に外せない条件があります。
それは・・・
会社員として活躍できない人は、高単価フリーランスにはなれません。
この条件を満たしているかを確認できるのは、会社員のうちだけです。
- 大先輩もいるプロジェクトで自分が活躍できるか
- 大規模プロジェクトでエースになれるか
- 炎上案件の火を消せるか
このような経験を積みながら、自分の働き方をみなすのが会社員時代です。
あの先輩と同い年になったときに、まだ勝てないかもと思うのであれば、それはあなたの課題です。
徹底的に先輩に教えを請いに行きましょう。
会社員の考え方を身につけられる
フリーランスと会社員は、どうしても考え方が異なります。
仕事の選び方、優先順位、お金の稼ぎ方、リスクの取り方・・・
これを知らずにいきなりフリーランスになり、
「自分は、他の人よりも早く行動できるから」と自信満々でいると、チームになじめずに終了します。
あなたとチームメンバーの考え方、価値観が異なるからです。
会社員はどのような判断をするのかを踏まえたうえで、より良い方向にチームを導くのが高単価フリーランスの役割の一つです。
会社員を下に見るような人が、活躍できる世界ではありません。
大手企業の案件に入れる
高単価の案件は、大手企業にこそあります。
詳しくは、コチラの記事を参照してください。
フリーランスが大手企業に仕事をもらおうとしても、門前払いを食らいます。
会社のバックがあるからこそ、案件に入ることができます。
そして、そこで活躍できるかどうかが肝です。
大手企業こそ、案件の規模も入る人もやり方も特殊なことばかりです。
他社も評価を高めようとエースを出してきます。
ここで活躍することが、高単価フリーランスへの第一歩です。
目的を見誤らず、お客様に価値を提供し続け、他を圧倒してこそ、あなたの高単価フリーランスへの道は開かれます。
他の職種もまんべんなく経験できる
システムエンジニアというと、設計やコーディングが中心だと思われますが、IT業界としてはインフラやコンサルなど、幅広い職種があります。
これらを実際に仕事をしている人に気軽に話を聞けたり、違う職種の仕事を経験したりできるのも、会社員の良さです。
視野が広がれば、次の案件で別の視点から考えることができます。
上流から下流までをトータルで考えることができます。
関係者の誰もが納得する方法を提示することができます。
フリーランスになるのは、このような強みを得てからでも遅くはありません。
すべて一人で1から学ぶよりも、多くの先輩に引っ張り上げてもらうほうが早く確実に成長できます。
しっかりと腰を据えて、幅広いスキルを身につけましょう。
まとめ
早く会社員を辞めて、フリーランスとして働きたいのは分かります。
しかし、重大な決断だからこそ冷静に考えてください。
- あなたに仕事を頼んでくれる人はいますか?
- あなたは先輩よりも圧倒的に貢献していますか?
- 他社のエースよりもお客様に価値を提供できていますか?
落ち着いて自分が出せている価値を見つめ直しましょう。
意外と、自力で出せている価値は少ないです。どこかで誰かがサポートしてくれています。誰かのアドバイスをもとに判断をしています。
支えがすべてなくなったとき、あなたに残るものは何ですか?
ここを明確に答えられるようになってから、フリーランスになりましょう。