システムエンジニアとして社会で活躍したいのであれば、誰かに教えてもらうのは非常に大切です。
誰かと一緒に勉強することも大切です。
- 自分よりも先を行っている人
- 自分と一緒に勉強を始めた人
- 学校やスクールの先生
このような方々の意見を聞くことは多いでしょう。身近にいるからよく耳に入ってきますし、あなたを応援してくれている人もいます。
しかし、AさんはHTML,CSSからやったほうが良いと言いながら、Bさんはバックエンドからやりましょうと言います。
CさんはAWSがこれから流行ると言いますが、DさんはAzureだと言います。
大量に入ってくる情報を取捨選択しきれず、あれもこれもとやっているうちに、「自分には無理」とあきらめていませんか?
結論から言うと、どれも正しいし、間違っています。
大切なのは、何が正しいのか。どの意見に従えばいいのかを見極める目を持つことです。
今回は、世の中にあふれる情報を精査するために必要な基準をご紹介したいと思います。
まずはフラットに受け取る
忘れてはならないのは、みなさん、あなたのことを思って、自分の経験上正しいと思うことを発信しているということです。
この記事ももちろん、私が正しいと思うことを発信しています。
本当かどうかは、あなたが判断することです。
冷静に判断するためには、最初に情報を入手した際は、正しい・間違っているを考えずに、素直に文字通り読み取ることです。
人は、自分がやってきたこと・やろうとしていることと似た意見には、無意識に同調します。自分がやっていないことには、疑いの念を抱きます。
このような反応パターンがあるということを忘れないでください。
- 「やっぱりこれをやったほうが良いんだ!」と鵜呑みにしないでください
- 「この人、自分より稼いでいるから正しい」などと一つの基準で判断しないでください
ひとつのニュースを聞いて、「だから最近の若者は」と言っているのと一緒になってしまいます。
政治家の意見には論拠や事実を求めて反論するのに、自分事になると人は感情的になる生き物です。
まずは、冷静に文字通り解釈しましょう。
IT業界にも当てはまるかどうかを考える
- SEにとって一番大切なのは、価値を提供することです
- プログラミングは、続ければ必ず結果が出ます
このような意見は、諸々の売り文句に含まれています。
残念ながら、他の業界にも当てはまることです。
この業界だからこそ大切という点は、正直ほとんどありません。
プログラミングは他の業界に比べて、システム相手だからロジカルシンキングの比重が大きいというぐらいです。(感情面の比重が小さいと言うべきかもですが…)
IT業界以外でも当てはまることであれば、あなたは普段からやっていることでしょう。
- 毎日家族に、おいしいご飯を作る
- 家族を養うために、コツコツと仕事を続ける
これと何ら変わりはありません。すでに十分実践していると思います。素晴らしいです。
だから、これらは一般論として受け取りましょう。
他のことをきちんと行える人は、どの仕事をしてもきちんと行えます。
焦らなくて大丈夫です。
言葉の定義、意見の根拠を探す
- プログラミングは模写が大事
- SESは案件ガチャに振り回される
- IT業界は稼ぐのは簡単
世の中一般論として流れてくる、これらの意見。本当に正しいのでしょうか。
結論から言うと、どちらとも言えません。人によります。
その人の中には根拠があると思います。言葉の定義もあると思います(模写と言っても、人によってやり方はそれぞれですからね)。
たとえば、私であればバックエンドの開発を経験後、設計、要件定義、テックリードと上流に進んだのち、フロントエンドの開発に触れました。
そのため、フロントエンドについては深い知識は持っていません。修行中です。
この経験を持つ私が、「JavaScriptは簡単だ」と言った場合、当然今までの経験を踏まえての意見です。
しかし、ここだけ聞くと、簡単なのにできない自分は頭が悪いのではないかと感じてしまうものです。
しっかりと根拠を見定めましょう。
そして、これらの意見については、鵜呑みにせず、目的と自分ならどうするかを見つめ直すことです。
これらの意見が気になったということは、何かしら自分の中に気がかりなことがあるのでしょう。
模写をしていても、理解せずに書き写しているだけだから意味がないのではないかと感じて始めているのかもしれません。そんな時に、模写をして伸びると言われるとドキッとするものです。
しかし、冷静に考えると模写で伸びる力は何でしょうか。何もやらないよりは良いでしょうが、これしか方法がないのでしょうか。あなたが求めている力は何で、そのためにはどういう方法が効果的なのでしょうか。
SESの案件ガチャは実際あるかもしれません。それが現実なら仕方ないでしょう。ではどうすればよいのでしょうか。案件ガチャを避ける方法をありますか、ガチャに振り回されないようにするにはどうしますか。
IT業界で稼ぐのは、何と比べて簡単なのでしょうか。その人のやり方は再現性があるのでしょうか。もしかしたら、知り合いの社長がたまたま発注してくれたのかもしれません。稼げると言える根拠は何でしょうか。そこまで聴いて、初めて自分にとって意味のある情報に変わると思います。
事実は一つですが、解釈は無限にあります。
発信している人も、深く考えずに発信しているかもしれません。そのような曖昧な意見に振り回されるだけでは、時間の無駄です。自分事に捉え直すか、無視して今取り組んでいることに集中するか、さっさと決めてしまいましょう。
自分の目標に沿う意見かどうかを見極める
- 勉強を始めて数カ月で月〇万円稼いだ
- HTML,CSSから勉強を始めるのが大事
自分の出した結果をもとにした情報を見ると、あの人はすごいなと感じることもあるかもしれません。
私も昔はそのように感じていましたが、徐々に自分の気持ちが落ち込んでいることに気づきました。
おそらく、誰かをうらやむほど、自分を蔑むことになるからでしょう。
精神衛生上よろしくない捉え方をしないためにも、特に2つ注意点を挙げます。
稼ぎの話は要注意
仕事である以上、稼ぎには敏感になります。
勉強を始めてすぐに稼げたというのは、何とも羨ましいと感じることもあるでしょう。
ただし、すごいなと感じる前に、稼ぎに関する話は必ず以下の点を確認してください。
- 単発の稼ぎの話か、継続している稼ぎの話か
月200万円稼いだと言っても、それが1回だけのこともあります。たまたま年度末に請求書が重なってその金額になったのかもしれません。少なくとも年単位での稼ぎを見るようにしましょう。 - 何時間の労働で稼いだのか
100万円を稼ぐのに、400時間働いたのであれば、1時間2,500円です。塾講師のアルバイトの方が稼げるかもしれません。
稼ぎとは、単純に金額で決まるものではありません。どういう働き方をしたいのかも視野に入れながら情報を入手しましょう。 - 自分の稼ぎか、案件として決まっている金額か
詳しくは、コチラの記事を読んでください。
はっきり申し上げますと、SEとしての月50万円の稼ぎ方と100万円の稼ぎ方はやり方が全然違います。同じく、100万円と150万円の稼ぎ方も全然違います。準備にかかる期間も全然違います。
自分がどこを目指すのかに合わせて、誰の意見を聞くのかを決めましょう。
学習ステップの話は要注意
何から学び始めるか、どういうステップで学ぶのかに関する話は、発信者の経歴や何をメイン業務としているかをベースに判断しましょう。
- WordPress案件とプログラミング案件
- フロントエンドとバックエンド
- 新規開発と保守
- インフラと開発者
- 経営者とフリーランス
自分がなりたい道を実現している人の話を聞きましょう。
なりたい道の先にいる人に質問しましょう。
それ以外の人の意見は、他の畑の意見として参考情報です。いつか使うかもしれない雑学程度に。
まとめ
世の中の情報の99%は、今のあなたには不要です。
現在は、それほど情報があふれています。
だからこそ、情報を仕入れつつも取捨選択し、自分が必要以上に迷わなくて良くなるようにする必要があります。
みなさん、あなたのことをおもって発信してくれます。
しかし、それが本当に役に立つかはあなたにしか分かりません。
気持ちに振り回されず、今の自分にとって、目指す姿にとって大切な情報かどうか丁寧に精査していきましょう。
やりたいことに集中し続けるために。