現在、あなたがどちらの単価で働いているかで、フリーランスになっても安定して収入を得られるかどうかが変わります。
これを知らずにフリーランスになって、単価がガクッと下がったというエンジニアもいます。なかなか単価を上げられないと嘆いているエンジニアもいます。単価に対して誤った認識をしていると、将来の収入に大きく響くことにもなりかねません。
それでは、エンジニアの2種類の単価とは、どのようなものでしょうか。
案件の単価
1つ目は、案件の単価です。エンジニアの募集サイトで公表されているのもこの単価であり、一般的には案件に5人エンジニアがいようが10人いようが、どのエンジニアもほぼ同じ単価で働いています。
この単価の考え方は、「ある仕事に対して、この値段」という決め方です。案件ごとに決められた単価であり、人数と期間を掛け合わせることでコストの総額を計算しやすくしています。
フリーランスになる前に意識していただきたいことは、「案件の単価で働いている間は、あなたの市場価値は分からない」ということです。
これが、案件の単価の怖さです。
あなたの市場価値は、案件で測れるものではありません。あくまで、「その単価の仕事ができます」という証明でしかなく、「その単価で仕事をします」ということにはなりません。
いくら月単価100万円の単価で働いていたとしても、それが案件の単価なのであれば、単なる「おいしい仕事」でしかありません。その仕事が終わって次の案件に行けば、月単価60万円にガクッと下がることもあります。
「自分の単価を上げること=より単価の高い案件に入ること」と考えていると、いつまでも案件の単価に振り回されることになります。
あなたの単価
2つ目の単価が、あなたの単価です。これは、エンジニアの募集サイトにもどこにも公表されていません。あなたとお客様とで直接決定される単価です。案件にいる他のエンジニアが月単価100万円で仕事をしている中、自分は月単価150万円で仕事をしているということも当然起こりえます。
この単価の考え方は、「あなたに対して、この値段」という決め方です。あなたがいないと案件が回らなくなる、あなたの持つ特殊な技術や経験に市場価値がある、という場合に設定されがちです。
もちろん上記とは反対に、まずはお試しという意味で、他のエンジニアより安い単価を設定されることもあります。しかし、この場合は一定期間が過ぎると案件の単価に引き上げられるだけなので、あなたの市場価値を示す値としては使いづらいです。
フリーランスになる前に意識していただきたいことは、 「自分の単価がいくらなのか」ということです。
前述したように、案件の単価はお客様主導で決める価格です。それに自分の単価はあなた主導で決める価格です。言い値で仕事ができるようにもなれますし、お客様のコアな部分を任される可能性も高いため、契約が延長される機会も多いです。
結果として、お客様と長く良好な関係を継続できますし、この実績が次の仕事を呼びます。あなたがこの単価で仕事をするという話を一緒に広まるため、次の仕事も交渉なしに高単価で決まります。
これが、あなたの単価の強さです。
もちろん、案件の単価から自分の単価に変化するには時間がかかります。努力も必要です。当然、どの案件に入ってもトップレベルで活躍する必要があります。
しかし、これらに取り組む価値があります。自分の市場価値が分からない中、フリーランスになるのはムチャにもつながります。フリーランスになる前にこの違いを理解していれば、慌ててフリーランスになることもないでしょう。
フリーランスになるかどうか悩んでいるなら、しっかりと足元を固める準備をしてから独立しましょう。