人の学習メカニズムを知る 体の仕組みが分かれば、学び続ける体をつくれる

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前回は、脳の仕組みを活かして学ぶ力を高める方法についてお伝えしました。

今回は、体の仕組みです。脳が勉強したいと思っていても、体が動かなければ本を開くことはできません。疲労がたまっていたり、栄養が足りなかったりすると、思うように学びを吸収できません。

勉強したくてたまらなくなるような体づくりをしていきましょう!

色を効果的に使う

color

初めは視覚です。人の知覚の大部分は、視覚から入ってきます。前回もお伝えしましたが、ゴミや散らかっている部屋では、視覚経由で無駄な思考が増えてしまいます。部屋はきれいにしておきましょう。

そして、視覚から伝わる情報は、何が見えるかだけではありません。その中でも「色」は学習において重要な情報です。

人は、色によって感情が刺激されます。赤色は情熱的で時間を早く感じる色です。文字が赤いと、重要な印象を受けると同時に、禁止という印象を受けることもあります。青色は冷淡で時間が遅く感じます。文字が青いと、許可という印象を受けることもあります。オレンジは明るくやる気が出てくる色です。ノートやPCが黒だと、重厚感が出てより重要なもののように感じます。

いたるところで色を活かせば、スムーズに勉強に向かうこともできます。たとえば、プログラミングの勉強をしているのであれば、PCのロック画面やホーム画面をオレンジにしておくことで、PCを立ち上げてからやる気が出てきます。勉強用のノートを黒色にすれば、重要だと認識して頭に入りやすくなるかもしれません。

BGMを効果的に使う

music

続いて、聴覚です。人の知覚の2番目に多いのは、聴覚です。街中でも、あなたの注目を集めるためにたくさんの音があふれています。音で気を引いて、視覚にさらなる訴えをしていくというのが、多くの広告の流れですよね。

飲食店にも、BGMが流れています。BGMには、隣の席の会話を聞こえにくくする意図もあります。周りの音を消すために心地の良い音楽を流すのも、聴覚を有効に利用したケースです。

あなたは、勉強するときに音楽を聴きますか?これだけ音楽の有効性をお伝えしましたが、勉強内容によっては音楽がない方が良いときもあります。

どのような勉強でも、歌のある音楽はあまりおすすめできません。歌(言葉)によって思考がそちらに持っていかれます。歌のない音楽でも、暗記や難しく思考するとき、音楽があると集中が維持しにくくなります。極力無音の方がはかどることもあるでしょう。淡々と作業しているときは、曲のテンポによって作業スピードが変わることもあります。ササっと終わらせたいときは、テンポの早い曲を選ぶとサクサク進みますし、落ち着いて終わらせたいときは、ゆっくりしたテンポの曲を選ぶと、焦らずに進められます。

また、音楽は勉強前にも効果的に使うことができます。勉強に入る前に気持ちの上がる曲をいつも聞くようにしていれば、その曲を聞き終わったと同時にスッと勉強に入られるようになります。それまでどれだけ気持ちが沈んでいたとしても、その曲がスイッチになって勉強を始められます。

音楽は使い過ぎると勉強ができなくなりますが、効果的に使うことで長時間の勉強でも気持ちを高い状態に維持し続けられます。

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睡眠をコントロールする

sleep

睡眠中は、記憶が整理されると言われています。睡眠が少なすぎると、違法薬物の中毒時と似たような脳の反応を示すともいわれています。

そのため、毎日十分な睡眠をとることが大切ですが、ベストな睡眠時間は何時間でしょうか?一般的には、6時間の倍数が良いと言われています。22時から翌2時まではゴールデンタイムだから睡眠をとることが進められてもいます。

しかし、ここで大切なのは、「あなたにとってのベストな睡眠時間」です。自分にとってベストな睡眠時間、睡眠のタイミングを見つけましょう。

睡眠時間の見つけ方は、1週間ごとに睡眠時間を変えて生活をしてみることです。最初は6時間睡眠で1週間生活します。1週間後、睡眠が足りていないと感じるのであれば、30分増やしてみます。反対に十分だったと感じるのであれば、30分減らしてみます。そしてまた1週間生活します。5時間半睡眠で足りなかったと感じたのであれば、15分や10分単位で5時間半から6時間の間で変更して、また1週間生活します。これを繰り返すことで、あなたにとってのベストな睡眠時間が見えてきます。

また、睡眠のタイミングも大切です。夜早く寝て朝早く起きる方が良いのか、朝ギリギリまで寝ていた方が良いのか。昼寝を挟んだ方が良いのか、寝るのは夜だけの方が良いのか。これも試しながら見つけていきます。

そして、睡眠でもうひとつ大切なことは、勉強中に眠たくなったときの対処です。無理して勉強を続ける人もいますが、どうしても眠気が取れないのであれば、20分ほど仮眠をとるのも効果的な対処です。2時間ウトウトしながら勉強した気になるよりは、20分寝て100分勉強した方が確実に効果的です。

勉強は量ではありません。こだわるべきなのは質です。そのためにも、睡眠をコントロールして、起きている間・勉強している間は常に頭が活性化しているようにしましょう。

水をたくさん飲む

drink some water

水?と思う方もいるかもしれませんが、とても大切なことです。水は体の70%を構成しています。あらゆる栄養や酸素などの必要なものを体中に運ぶのも水です。その水が体内で足りなければ、思うように栄養を脳や臓器に運ぶことができません。体内の水の入れ替えをうまくできなければ、古い水が体内に残り続けます。

1日2リットルは、水を飲むようにしましょう。

水をたくさん飲むことで、脳が活性化します。もちろん、水をたくさん飲むとトイレに行く回数も増えますが、僕の場合、勉強中のちょっと一息で水を飲んでトイレに行ってまた勉強しています。その繰り返しが、勉強のテンポを生み出してくれることもあります。

体を構成している物質が不足すると、あらゆるところに支障をきたします。タンパク質や炭水化物などの栄養素ももちろんですが、水も忘れずに取るようにしましょう。

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空気の入れ替えを多くする

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勉強中に眠気を感じる理由は様々です。しかし、別に疲れているわけでもないのにいつも勉強を始めると眠くなるというのであれば、勉強中、知らず知らずに呼吸が浅くなっているかもしれません。

呼吸が浅いと、脳の活動は低下します。活動が低下した結果、あくびが出ます。眠気を感じます。勉強中に眠気を感じるのではなく、呼吸が浅くなったことで眠気を感じるということです。

その理由も様々です。姿勢が悪くなって空気が肺に入りにくいのかもしれません。その場合は姿勢を正してください。ちなみにですが、勉強中の姿勢はとても大切です。集中して勉強している時の姿勢のまま眠ることはできません。勉強中に眠くなるのは、集中していた状態から徐々に姿勢が崩れ、楽な姿勢に近づくにつれて眠れる姿勢になったことにも一因があります。そのため、姿勢が悪いのであれば立つなど眠れない姿勢になることです。

また、部屋の空気がきれいでないと、人は呼吸が浅くなります。その場合は部屋の換気をすることです。それまでよりも肺に空気が入っていることを感じられると思います。深呼吸をしたり、呼吸の速度を早くすることも効果的です。肺の空気を入れ替え、脳に酸素をたくさん送ることで、脳を改めて活性化させましょう。

自分が成功できる環境を作る

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勉強をしているとき、気が付くと姿勢が悪くなっていたり、YouTubeやスマホに逃げて勉強をしていなかったりしていませんか?

もし、そのような悩みがあるのであれば、勉強中だけでも環境や自分の状態を変えることです。毎回勉強中に集中できない状態が続くと、どうせ次も集中できないと思うようになります。悪循環です。

その悪循環を止めるためにも、自分がうまくいっている姿をイメージし、その通りに行動してみることです。

  • 成功したあなたは、どのような環境で勉強していますか?
  • 机の上や身の回りには、どのようなものが置いてありますか?
  • どのような姿勢で、勉強していますか?

自分がうまくいっているときを再現することで、次もうまくいくことができます。これまで取り組んできたことでうまくいった状態を思い出し、それを再現しましょう。場所を変えるのもアリです。筆記用具を変えるのもアリです。

あなたがうまくいく環境は、どのような環境ですか?

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今どき体力はなくならない

running

仕事を終わったら疲れて寝てしまったという方、いると思いますが、その場合の疲れというのは、どのようなものでしょうか?身体的な疲労を感じているというのであれば、多くの場合は勘違いです。

毎日肉体労働をしている場合は、身体的な疲労を仕事終わりに感じることは考えられます。しかし、毎日PCを操作するのがメインの仕事なのであれば、身体的な疲労はそれほど感じないはずです。

少し考えてみてください。昔はもっと肉体労働ばかりでした。農耕民族の時代や工場制手工業の時代は、ずっと手を動かし体を動かしていました。それでも仕事終わりに本を読んだり、家族で会話したりする時間を取れていたのも事実です。

その時代と比べると、僕たちの時代は明らかに体を使う機会が減っています。その分、体力も減っているかもしれませんが、生物的な人間としての体力の低下よりも肉体労働の割合の減少の方が明らかに大きいです。

つまり、多くの場合あなたが感じている疲労は、身体的な疲労ではなく精神的な疲労です。もし精神的な疲労を感じているというのであれば、気持ちを切り替えればすぐに解消できます。

たとえば、あなたが仕事終わりにぐったりしているとしましょう。もう何もする気が出なくてソファでゆったりしています。しかし、あなたはふと思い出します。そういえばこの前買った宝くじの当選発表を見ていなかったと。そしてあなたは発表を確認します(この時点で、気持ちが切り替わって行動できていますね)。なんと、あなたは1等の1億円が当たっていました!しかし、重要な点に気づきます。換金期限が今日までです。

あなたは、ソファから飛び起きて換金に向かいますよね。それまで疲れ切っていたと思っていたのに、まだまだ体は動きます。余裕で動きます。朝よりも元気かもしれません。

このように、人は疲労を感じていたとしても、体力が尽きたのでなければ、気持ちを切り替えればすぐに行動を起こすことができます。

勉強に向かえないと思ったとしても、気持ちを切り替えてあともう少し、努力してみましょう。その積み上げが、勉強の習慣化につながります。

まとめ

学習は頭でするものだと考えていると、体のケアがおろそかになりがちです。知らないうちに体に無理をさせていることもあります。

しかし、学ぶ力を高めたいのであれば、安定して高いパフォーマンスを発揮したいのであれば、自分の体のことを理解し、大切にしてあげてください。
どれだけ学ぶ時間があっても、体が思うように動かなくなれば学ぶことはできません。若いうちや体が動く間は、当たり前に動く体の大切さには気づきにくいです。なくなって初めてその大切さに気付きます。

そうならないためにも、日ごろから体を大切にして、学ぶ姿勢に適した体を作っていきましょう。

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